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August 30, 2014 

夏の終わりに観た映画、「ローマ環状線 めぐりゆく人生たち」。久しぶりの銀座。8月最後の土曜日とあって人は出ている。それも外国人が多い。西洋人だけでなく、外見は日本人のようだが、実際は近隣諸国のアジア人が多い。すれ違いざまに耳に入ってくる言葉が違うのでそれと分かる。

この映画は物語ではない。ローマの街を囲むように走っている高速環状線界隈に暮らす人々の断片映像である。救急隊員の仕事の現場と老いた実母との出勤時のやりとりのシーン。南国植物ヤシの木に聴診器を充てて木の内部の音を録音する植物学者。聞こえる音はシュロを食い尽くしていく害虫の動く音。ウナギ漁師のウナギの輸出入記事を読んで薀蓄を披露するときの何とも言えない味わい。イタリアの現在を、ありのままの姿を肩の力を抜いてキャプチャーした佳品。

ラストで本編の数々のシーンの一つひとつが小さな画像として整理され、全面にマルチ表示される。そこにかぶせるようにささやかに音が響いてくる。これまで登場した人物やシーンの残像や感動のほとぼりがまだ冷めやらぬとき、その心地よさを壊さないようにひそやかに音は少しずつ音楽へと形を変えていく。イタリア語の歌誌の意味は分からないが、なにかいい感じ。徐々に徐々にいつのまにか歌は力強く歌い上げていっている。わたしにとって、久々に聞き入るカンツオーネだ。イタリア音楽の伝統と現在のイタリア大衆の感覚や息遣いを吸収していて上手に古今がブレンドされていて、紛れもない「今」を感じられて、映画の最後の味付けとして逸品だ。


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銀座の熱帯魚
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【2014/08/30 18:56】 | 未分類
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